グラキリスが多頭になってしまう現象の研究
皆様こんにちは!ビザプラ研究室のオテロイです!
今回は実生で育てているグラキリスが多頭になってしまう原因を個人的に考えてみましたので、まとめていきたいと思います。
多頭になる原因
まず多頭になるパターンとして、
①本来の成長点がつぶれて多頭になるパターン
②丸かったのに急に横から芽が出て多頭になるパターン
③最初から多頭なパターン
大きく分けてこの3パターンで多頭になってしまうことが多く感じます。
①本来の成長点がつぶれて多頭になるパターン
こちらが本来の成長点がつぶれて多頭になってしまったグラキリス。
冬の間に先枯れしてしまったものが左右から芽が出て多頭になってしまったパターンです。
こちらも成長点がつぶれて横から出たグラキリス。
横から出た一つの芽から2つに分かれて多頭になりました。
①のパターンは実生栽培時に葉先が枯れて先枯れになることで生まれます。
パキポディウムは丈夫な植物なので、成長点がつぶれた場合、生きている組織の部分から芽を出して成長しようとして起きる現象です。
対策としては先枯れの原因の多くは水不足や根腐れによるものなので、
春~秋の暖かいシーズンは「土が乾いたら」
秋~冬の寒いシーズンは「土が乾いている&塊根部分がいつもよりちょっとしぼんでいる」
季節によって上記のサインが出たら水をあげるというサイクルを作ってあげると水不足や根腐れを防ぎ、先枯れを防止できます。
健康的な塊根植物は土が乾いても数日は蓄えた水分で育つので、気持ち乾燥気味の管理がオススメです。
冬の間は「土が乾いている&塊根部分がいつもよりちょっとしぼんでいる」のサインが出ても、土が乾くスピードが遅いので、鉢の土が全体的に湿るかな~くらいの量の水で大丈夫です。
また、実生を3~5月の暖かい時期の早い段階で初めて、水をたっぷりあげても大丈夫な気温の期間にある程度育てることで、秋~冬頃の水やりの調整が難しい時期に先枯れしてしまうのを防ぐことが出来ます!
②丸かったのに急に横から芽が出て多頭になるパターン
②のパターンは特に先枯れもしておらず、普通に育てていたのに突然横から芽が出てしまって多頭になってしまうパターンです。
すみませんこれに関してはまだ明確な理由が良く分かっていません!
日照不足的な問題で日光を効率的に浴びるために脇芽を出すのかなと思ったのですが、普通に丸く育っている苗と同じ日照で育てている苗に出てくることもあったので日照が原因ではなく、
遺伝的な問題なのかな?と思いましたがロットと業者が同じものでも多頭が出てくることもあり…
恐らくの推測で言うと個別で1年目に水をたくさん上げて育てた苗は丸く育ったので、1年目で水をたくさん蓄えられなかった場合に丸い塊根を形成せずに多頭型になってしまうのかなと考えています。
そのため、①の項で記載した水やりのサイクルを発芽して本葉が出た段階から続けていくのが多頭化を防ぐ方法なのかなぁ…と考えています。
③最初から多頭なパターン
先枯れもなく、脇芽が出ているわけでもなく最初から成長点が2つで多頭なパターンです。
③のパターンは逆に美しい多頭の株になるレアパターンとして珍重しています。
①と②のパターンは育った後の形がなんかちょっとヒョロ長かったり、もはやグラキリスか怪しいトゲトゲ形状になっていったりしてしまいますが、③の最初から多頭のパターンは綺麗な二つの塊根を形成することが多いです。
このパターンになる原因は②以上に不明です…
恐らく育て方云々で形成されるものではなく、遺伝子的なもので偶然生み出される産物なのだと思われます。
そのためこれが出てきた人はラッキーです!
まとめ
ということで今回はグラキリスが多頭化する原因についての研究でございました!
栽培を始めた当初は①のパターンでの多頭化が多く、丸く育てるのに失敗しておりましたが今では水やりや栽培開始の時期を調整することでこのように綺麗な苗を育てられております!
まだ研究不足な部分も多く、確定的な情報が少ないのでこれからも栽培を続けて情報を更新してまいります!
それではまた!